診療ポリシー

診療において重要なのが、飼い主と獣医師の相性です。
飼い主が求めるものと、獣医師が提供できるものが違うと良い診療はできません。
結果的に被害を被るのは動物達です。

ここでは伊藤の診療ポリシーを説明します。
よくご覧になって、方針に納得できるかどうかご判断下さい。

あなたとの対話を重要視します

僕が重要視しているのが飼い主さんとのコミュニケーションです。

わざわざ診療にいらしてくださったのに

  • 「いろいろ言われたけど、結局よく分からなかった…」
  • 「こちらの考えが伝えられなかった…」
  • 「質問したかったけどできなかった…」

という事態にはしたくありません。

ご自宅での状況の聞き取りも、検査内容の相談も、検査結果の説明も、今後の方針の話し合いも、質問への回答も、どれもが十分にできるように、話し合いの時間をしっかり確保します。
聞きたいことは全て聞き、伝えたいことは全て伝えてください。
あなたが不安・疑問を解消して、スッキリした状態でご帰宅できるよう、全力を尽くします。

専門用語は説明には使いません

あなたに分かりやすく説明するため、なるべく専門用語は使いません。

どうしても専門用語が必要なときはありますし、獣医師側も悪気があって使っているわけではありませんが、専門用語が増えるほど聞く側としては分かりにくくなりますよね。

専門用語を使わない説明にはトレーニングが必要ですが、伊藤はこの点を強く意識しながらこれまで経験を積んできています。
このサイトの文章も同様の方針で書いていますので、まずは文章を読んでいただき、あなたにとって分かりやすい口調かどうかをチェックしていただけたらと思います。

意見の押し付けはしません

診療の現場では、どうしても獣医師の力が強くなりがちです。

獣医さんから「この方法が一番だから、そうして下さい」と言われたら、専門知識が無ければ「そうなのか」と思うしかできませんし、他の希望があっても言い出しにくくないですか?

僕は、「診療はケース・バイ・ケース」なので、どんな時でも当てはまる正解は無いと考えています。
僕から提案やおすすめはしますが、「これが絶対!!」というような押し付けは行いません。
あなたの意見を一方的に否定する様な真似はしませんので、何でも気軽にお伝え下さい。

必要な情報はしっかり伝えた上で、あなたが一番納得のいく選択肢を、あなたに選んで頂きます。

検査をしっかり、丁寧に診ます

伊藤は、検査をしっかり行い、きちんと診断を下した上で治療を考えるタイプの獣医師です。

検査は多すぎても、少なすぎても問題があります。
動物への負担、検査にかかる手間や時間や費用などを考えれば、検査が少ないに越したことはありません。
診断に役立たない検査もわざわざする必要はないでしょう。
しかし一方で、必要な検査ですら絞ってしまえば、「たぶんこういう状態だろう」と推測で補わなければならない部分が増え、誤診のリスクが高まります。

どちらに寄せても一長一短ですが、この診療は

  • しっかり検査を行って、愛犬愛猫の心臓の状態を正しく把握し、適切な治療につなげたい

と考える飼い主さんのニーズにお応えするものです。

不要な検査を無理やり行うことはしませんし、経験や知識から「多分この病気だろう」と推測が可能な場合もあるにはありますが、基本的には「話を聞いただけで診断する」「聴診しただけでお薬を出す」ということはしていません。

あなたのご希望に合う内容かどうか、しっかりとご判断ください。

設備にもこだわります

どんな分野でもそうだと思いますが

  • ちゃんとした技術
  • ちゃんとした設備

の両方がないと良いものはできません。
設備の弱さを技術でカバーできるケース、逆に技術の無さを設備でカバーできるケースも、実際あるかと言えばあるんですが、やはり限界があります。

さらに、検査機器については「あるかどうか」だけではなく、その「性能」も重要です。
たとえば、今どきエコー(超音波検査装置)が置いてある動物病院は珍しくなくなりましたが、同じエコーでも性能はピンキリです。
例として2つのエコー動画を載せてみますので、比べてみてください。

いかがでしょう。おそらく、「右の方がかなりキレイに見える」とすぐ分かったんじゃないでしょうか?

ただし、高性能な機械ほど価格も跳ね上がりますので、どんな病院でも導入できるわけではありません。
おまけに、もしあなたが良い設備のある病院を探したいと願っても、設備の質まで判断するのはかなり大変だと思います。

このサイトで診療申込みを受け付けている動物病院は、僕から見て、一定の基準を超えた設備を持ったところに限っています。
一方、高性能な機器を使う分、検査料金は高めになります。質と価格は比例しますので、そこはどうぞご了承下さい。

時間をかけた診療です

本来、診療にかかる時間は短いに越したことはありません。
ただし、それは「診療の質を落とさない限りにおいては」です。

きちんと状況を聞き、検査や処置を行い、検査結果の説明や今後の相談をすれば、普通はそれなりの時間がかかります。
この診療は、毎回しっかり時間を確保した完全予約制になるので

  • 時間をかけてしっかり診てほしい
  • 話し合いの時間もしっかり持ちたい

という人には向いています。

一方で、1件に時間を多く取る以上、1日に数件しか診られません。
恐縮ながら、「今すぐ診て欲しい」「手早く診て欲しい」という要望にはお応えしにくいことはご了承ください。

紹介が必要な場合は、責任を持って行います

伊藤の専門は犬と猫の心臓内科です。
心臓以外は診れませんし、心臓であっても外科手術の依頼はお受けできません。

ただし、自分の担当ではないからといって、責任放棄するつもりはありません。
診療の結果、心臓以外に問題が見つかったり、心臓の手術が望ましいことが分かれば、あなたにお伝えし、必要であれば対応できる先生や施設への紹介も行います。

薬の量を適正にします

伊藤はなるべく使用する薬の量を少なく、シンプルにできないか考えます。

薬の量が多くなると、

  • 飲ませるのが大変
  • 費用的にも大変
  • 他の病気でも薬が必要になると、さらに大変

などの理由があるからです。

何より、薬の量が少なくて済むに越したことはありませんので、適切な量のお薬を処方します。
実際、診察によって薬の量が減ったケースも結構あります。

一方で、必要なお薬を切ったり減らしたりもしません。
必要なものを必要なだけおすすめします。

大切な家族ですから、大切に接します

「心臓病だから注意が必要」という理由もありますが、何よりあなたの大切な家族をお預かりするわけですから、こちらも敬意をもって優しく接します。

愛犬・愛猫にしてみれば、動物病院は慣れない場所です。
不安や苦痛をゼロにはできないかもしれませんが、負担を最小限にするための努力は惜しみません。

  • 検査と検査の間に休憩を挟んだり
  • 静かな入院室を選んだり
  • 検査中も優しく声をかけたり
  • 姿勢を変えるときなどは、ゆっくりと動かしたり

など、ストレスを減らす色々な工夫をしています。

主治医のつもりで臨みます

これまで色々な場で犬と猫の心臓に関する情報を発信してきました。
その影響か、よく「助けて下さい!」「教えて下さい!」というメールが届きます。

しかし、全てに対応するのは物理的に不可能なので、僕は自分の担当患者に優先的に時間を充てています。

一度診察をしたならば、僕はあなたの愛犬・愛猫の主治医のつもりで臨みます。
もちろん全身を診て下さるかかりつけはもって欲しいですが、あなたが僕を信用し、継続的に診察にいらして頂けるのであれば、僕もあなたに合わせて優先的にスケジュールを組むつもりです。

いかがでしょうか?
もし上記のポリシーがあなたの価値観と合うならば、きっと良い診療ができると思います。

重要なので繰り返しますが、「獣医師と飼い主の相性はとても大切」です。
どうぞよくご検討下さい。