僧帽弁閉鎖不全の症状は?
最初は症状がありません
ふつう、この病気が始まってから数年の間は無症状です。
病院で定期健診を受けていなければ、まず自宅では気が付かないでしょう。
逆に、明らかに症状があるならば、すでにある程度病気が進行している状態とも言えます。
僧帽弁閉鎖不全症でよく見られる症状
僧帽弁閉鎖不全症で多い症状は以下のものです。
- 咳
- 疲れやすい
- やせてくる
- 呼吸困難
- ふらつく、倒れる
- 元気・食欲の低下
咳
僧帽弁閉鎖不全症で一般的な症状です。
夜〜朝方や、興奮した時に症状がひどくなるケースが多いです。
大きくなった心臓に気管が押されたり、うっ血の影響が肺に及んだりすることが原因で起こります。
飼い主としても気がつきやすい分、とても気になる症状でもあります。
疲れやすい
心臓の能力が落ちるため、激しい運動がしにくくなっていきます。
散歩を嫌がったり、運動したり興奮したりすると息があがりやすくなります。
やせてくる
たとえ普段通りにごはんを食べていても、やせ衰えてくる場合があります。
これは心臓病に限らず、何か病気がひそんでいる時に見られる傾向です。
呼吸困難
心臓病が進み、肺の血圧が上がってくると、血液中の水分が肺の中にしみ出してきます。
肺の中に水が入った状態になりますから、陸にいながら溺れているようなものです。
この状態を肺水腫(はいすいしゅ)と呼びます。
動物病院で「肺に水がたまっている」と言われたら、これだと思ってください。
呼吸困難がひどくて酸素が全身に行き渡らない場合、ハアハアして、舌や歯グキの色が真っ青〜紫色に見える場合があります。
これはチアノーゼといって、重い酸素不足のサインです。
僧帽弁閉鎖不全症に限らず、心臓病の子は呼吸困難が起きやすいので注意が必要です。
ふらつく、倒れる
心臓の機能が落ちると、全身に血液を送る能力も落ちます。
弁の病気に不整脈も合併するような場合は、さらに心臓の機能が低下し、全身に送られる血液の量が減ります。
こういう状態で、全身が血液を多く必要とするような状況(例えば運動時)になると、脳に届けられる血液が足りなくなり、ふらついたり倒れたりすることがあります。
見た目には、立ちくらみのイメージです。
ふらついて足元がおぼつかなくなったり、フッと意識を失うように崩れ落ちたりします。
倒れながらジタバタするケースもあり、けいれん発作のように見えるかもしれません。
元気・食欲の低下
心臓病が進行してくると、傍目にも元気・食欲が低下してきます。
なかなか数値化できるものではありませんが、いつもより大きく違わないかは観察してあげて下さい。
心臓病に限らず、大半の病気に対して使えるポイントです。
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