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心臓病だと手術は不可能?

質問

はじめまして。

7月で13歳になる僧帽弁閉鎖不全のビーグルを飼ってます。
昨年から、背中に直径10位になる大きな脂肪種が出来てます。

獣医さんは、この脂肪種は取れますとの事で、費用は10万円位。
(入院も含めて)
ただ、心臓などのお薬も月、4万円以上かかってます。
来月から、フィラリア予防とかも入れると5万円弱になると思います。

最近、この大きな脂肪種の下に新たな脂肪種が出来てきました。
本人は元気で、歩行にも支障がないのですが、取るにしてもかなりの範囲を
切らないといけなくなると思います。

金銭的に余裕が出来れば取ってあげたいのですが、
実際、心臓の事も気になります。

もし、取って癌が見つかっても、癌治療はしないと思います。
なぜなら、小さい脂肪種があちこちに出来てるので、キリがないからと
本人もすごい負担になると思います。

現在は時たま、咳き込む位で元気なのですが、
心臓病の専門家として、意見が聞ければ、幸いと思います。

回答

ご質問ありがとうございました。

人も犬も加齢に伴って体のメンテナンスをこまめにしてあげる
必要があるのは仕方が無いと言えば仕方が無いのですが、
随分ご苦労されたとお察しします。

ご質問の内容ですが、

「心臓病があるけど手術は出来るのか?」

という風に理解しました。
(違っていましたらごめんなさい)

この質問は、とても多いです。

医療職でもなければ、手術に慣れる機会などほとんどありませんので
不安に思われる気持ちは当然だと思います。

結論から言いますと、

皆さんが恐れているよりは、心臓病持ちでも結構大丈夫

となります。

ですから、るららさんの愛犬のようにたまに咳き込むくらいなら
問題は少ないと思います。
(あくまで文章からの推定ですが)

手術の麻酔はきちんと管理すればなかなか事故にはなりません

参考までにお伝えすると、

  • 僕が今まで関わった手術の中で麻酔事故は一件もありませんでした
  • 僕の勤めていた病院では開院以来20年以上麻酔事故ゼロです

もちろん麻酔の管理といっても内容次第ですし、
生き物相手ですから全く起こらないとは言えません。

ですが、そんな高確率で起こるものではないという事も知っておかれると
安心材料の一つになるかもしれません。

「でも心臓病の子は別でしょ?」という意見もあると思います。

確かに健康な子に比べて注意が必要です。

しかし、心臓病があったら手術が出来ないのであれば
心臓病の手術は理論上有り得ない事になってしまいます。

注意が必要 = 手術不可能 

とは必ずしも言えません。
あくまで、程度次第になります。

ちなみに、「年をとったら手術が不可能」という意見もたまに聞きますが、
これも年齢というよりは体の状態次第です。

そんな事も良かったら知っておいて下さい。

また、補足として、

「手術が可能かどうか」という問題と
「獣医さんが手術を勧めるかどうか」という問題は違います。

手術をした場合のメリットとデメリットをいくら冷静に考えても、相手は生き物です。
不確定な要素はゼロに出来ません。
考えた上で、最後は「決断」です。

獣医さんだって、危険な手術はしたくありません。
何か理由が無い限り、そんな手術には臨みたくありません。

僕は獣医さんから、
「この子手術が可能ならしたいんだけど、心臓は大丈夫?」
といった感じでよく診察の依頼を受けます。

軽い心臓病と分かっていても僕に診察を依頼される先生は少なくありませんし、
万一の事がないように慎重にやっているんだな…という印象を僕は持っています。

また、
「手術が可能かどうか」という問題と
「手術をした方が良いか」という問題も違います。

これは実際に診察をされている先生の判断と、飼い主さんのお気持ちの要素が重要です。
手術を検討される際は、かかりつけの先生と良く話し合われる事をおすすめします。


以上で回答になりましたでしょうか?
愛犬と元気に楽しく過ごせるように願っております。

P.S.
脂肪腫ですが、ひとまずの対策として、

  • 食事の水分量を増やす
  • 運動量を増やす

あたりを検討されてみるのも良いかも知れません。

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