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ピモベンダン(ベトメディン、アカルディ)について

質問

ピモベンダン(商品名 ベトメディン、アカルディカプセル)は、どのような薬なのでしょうか?

回答

ご質問ありがとうございます。

最初に、伊藤の見解を述べてしまいますと

  • ピモベンダンは「負担の少ない強心薬」
  • 咳や呼吸困難などの症状を抑えるのに有効な場合がある
  • 心臓に頑張ってもらう薬なので負担をかける可能性はある
  • しかし、使ってはいけないという話ではない
  • 要は何を目的とするかが大事

になります。

恐らく、

「ピモベンダンは役に立つ薬なのか?それとも副作用のデメリットの方が強い薬なのか?」

というあたりが一番知りたい事なのだとお察し致しますが、
それはこの薬に限らず「場合による」としかお伝えのしようがありません。

一般的に強心薬は心臓に頑張ってもらう薬ですから、
心臓が血液を送り出せないために起こっている症状を改善するのには有効です。
結果として咳が改善する事だってあります。
そのかわり、心臓自体はいつもより頑張るわけですから負担は増えると言えます。

心臓病の治療の基本は「心臓を休ませる事」だと安静の大切さでお伝えしました。

となると「強心薬なんていらないじゃないか」と思われるかもしれませんが、
それは違います。

心臓病と付き合っていく中では、心臓を休ませたい時もあるし、
心臓に頑張ってもらわなければいけない時期もあるのです。

ではその「休ませたり、頑張らせたり」の判断はどうするのか?

ここが獣医師の仕事です。
総合的に判断するとしか言いようがありません。



また、補足として、ピモベンダンは

  • 強心薬の中では心臓への負担が少ない
  • 使ったが最後、大変な事が起こるような薬ではない

という点もお伝えしておきます。
そういう意味では獣医師にとっても従来よりも使いやすい強心薬です。

昔はこの薬はとても高価で、獣医師にとっても処方するのがはばかられる薬だったのですが、
最近ベトメディンという商品名で安いものが発売されました。
そして発売に伴い、製薬会社側が獣医師に対して大々的に宣伝した事もあり、
恐らく全国でこの薬を使い始められた先生が大勢おられるのではないかと思います。

色々な話がありますが、何にせよ薬をどう使っていくかの判断は、
かかりつけの先生と良く話し合って頂いた上で決めて頂くしかないと思います。

個人的には、飼い主さんが薬について知ろうとするのには賛成です。
ですが、薬の知識だけで飼い主さんの考えている結果を得るのは
なかなか難しいかなとも思っています。

「より良い治療をしてあげたい」
「薬について知れば、愛犬の治療について考えられる」

という思いからの行動だとお察し致しますが、
薬の使い方というものは色々な面を総合的に考えて決めるものなので、
しっかりした判断をするためには薬そのものの知識だけでなく、
獣医師が学ぶのと同様の薬理学や病気の基礎知識を必要とするからです。

そのため、僕は飼い主さんには
「薬の知識を持つ事も大事ですが、獣医さんとの良いコミュニケーションもとても大切です」
と良くお伝えしています。

とは言え、
我が子のために知っておきたいという気持ちは痛いほど分かりますので、
今回お伝えした事が少しでも話し合いの参考になれば嬉しいです。

より納得のいく治療法を選択し、より良い時間を過ごせるようにお祈りさせて頂きます。
どうぞお大事になさって下さい。

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